天命に生きる～コラム～
今日は、コラムです。
今の時代は、飽食の時代と言われてますね。
戦後、非常に貧しい中から這い上がってきた、先駆者の方々に対し、
本当に畏敬の念を抱いています。
私は１８歳くらいに、ボロボロのアパートで、ネズミの走る音を聞きながら
食パンの耳にマヨネーズをつけて食べるような生活をしたことは
ありますが、餓死するようなことはありませんでした。
私の感じた貧乏は、他の人と比べて、すごく惨めだ
といった相対的なもので、実際は、生きて行くには、
なんとかすれば成り立つようなものでした。
ある程度、働けば、メシにも住居にも不自由のない暮らしを
送れる時代なので、ともすれば、その不自由のない暮らしこそが、
自分自身の目的になりがちです。
生活することが人生の目的になると、
やっぱり人生は物足りなく、何かむなしささえ覚えることがあります。
この時代は何をやりたいかが見つかったもん勝ちかもしれません。
けれど、そう簡単には見つかりませんね・・。
無理やり作ったやりたいことも、続きません。
項羽と劉邦
項羽と劉邦というお話を聞いたことをありますか？
中国の英雄的な二人の話です。
簡単に内容をご紹介すると、
昔昔、悪政を敷く秦という国がありました。
その秦は法で中国をまとめた初めての国でしたが、
法の名の下に、暴虐の限りを尽くし、臣たる人民の心は離れて
いました。
そこに立ちあがった男達の中に
項羽と劉邦 （こううとりゅうほう）がいました。
項羽は、どちらかと言えば、良い家柄の出身で、
非常に勇猛な男でした。彼は、戦とあれば、百戦百勝といったような
とんでもない武の才能を持ち、また、仁に篤く、一言でいえば
エリートの勇者のような男でした。
劉邦は、農村の出で、盗賊を働き、村や町のごろつきから慕われて
担がれて、戦に参加した男でした。彼は、戦は弱く、項羽のように
勇猛ではなく、突出した才能が見えず、平凡な印象の男でした。
ただし、彼は不思議なほど、人に恵まれる男でした。
この二人が、天下を競いあうことになったのです。
最終的に中国を統一し、
天下を制したのは、どちらだったのでしょうか？
というようなお話です。
項羽は勇に長け、仁に篤く、武では右に出る者はいない。
劉邦は徳があり、人の話を良く聞き、また褒賞を多く与えた。
周りの者が、劉邦は天運があるとし、
劉邦の元でならば、自分の才をいかんなく発揮できると考え
どんどんと集まってきます。
対して、項羽はその圧倒的な強さから、
敵味方含めカリスマとして崇められます。
強いだけでなく、配下の武将にも、
強い愛情で接し、時には涙を流す熱血漢でした。
そんな項羽を崇拝する軍兵たちは、その力を益々強くしていきます。
物語のあらすじはこのあたりでやめにして、
この物語には、考えさせられることが本当にたくさんあります。
人間の成功を決めるものは一体なんなのだろうか。
運なのか、努力なのか、それとも才能か。それとも選択だろうか。
人間とはなんと複雑で、そして、世界とはなんと不思議な
ものなのだろうと感じます。
その複雑に絡み合った様々な思惑の中から、
虎視眈眈とそれぞれの生き方で、這い上がろうとします。
武で、賢で、仁で、弁で、政治で、勇で、義で、そして天運で。
しかし、やりたいことは何なのかと言うと、
きっとこの時代の人々もなかったのではないでしょうか。
あったのは、自らの生き方を信じるということでしょう。
天命に生きる
もしも、今、生きていて、
何かむなしさを覚えたり、
やりたいことが見つからなかったり、
様々なことに困窮しているのであれば、
自らの生き方を決めてみてはいかがでしょうか。
自分の人生の根本に何を据えるか。
どういう思想に自分を賭けるか。
武なのか、義なのか、仁なのか、賢さなのか、愛なのか、、、
根本の思想があると、俄かに心が熱くなってきます。
心に力があると、目にも言葉にも熱が入ってきます。
すると様々なことが起こります。
それに対し、あなたは、あなたの信念の実現のために
すべてを賭けます。
そうやって生きているとき、
あなたは天命に生きているということを自覚します。
やがて天命はあなたを導き、あなたが人生を賭けて
為したい目的をくれます。
あとは、何も思わず、天命を全うするだけ。
あなたが天命に出会えることを祈っています。
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